昨日2月26日、令和8年度の埼玉県公立高校入試が実施されました。
受検生のみなさん、まずはお疲れさまでした。
LOGIQUE大宮校は国語専門塾です。今回は国語に絞って、問題の構成・難易度・求められた力を分析します。
来年以降に受検を控える中学1年生・2年生の保護者の方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。
全体の構成と配点(例年通り)
今年度も、大問5問・100点満点という構成は例年通りでした。
| 大問 | 内容 | 配点 |
|---|---|---|
| 大問1 | 小説文(実石沙枝子「踊れ、かっぽれ」) | 26点 |
| 大問2 | 話し合い+資料読解(洗濯機の取扱説明書)文法・語句の問題 | 24点 |
| 大問3 | 論説文(吉岡洋「AIを美学する なぜ人工知能は『不気味』なのか」) | 26点 |
| 大問4 | 古文(「宇治拾遺物語」荘子と鮒の話) | 12点 |
| 大問5 | 作文(「緑との関わり」資料を踏まえた意見文) | 12点 |
大問構成・配点ともに変化なし。サプライズはありませんでした。
全体の難易度:例年並み。読みやすく、解きやすい
結論から言えば、今年度の国語は例年並みの難易度です。
小説文も論説文も文章自体が読みやすく、設問も素直でした。「読み方のルール」を身につけている生徒にとっては、安定して得点できる問題だったはずです。
逆に言えば、「なんとなく読み」をしている生徒には、取れそうで取れない――そんな印象だったのではないでしょうか。
大問1(小説文):心情の変化を丁寧に追えたかがカギ
出典は実石沙枝子「踊れ、かっぽれ」。地元の祭りで行われる「かっぽれフリーダンス」に参加する高校生たちの物語です。
主人公の楓子は、かつてフリーダンスを踊っていたが、ケガをきっかけに踊れなくなった。周囲の友人たちとの関わりの中で、再び踊ることへの気持ちが動いていく――という流れです。
注目すべき設問
問2(20字以上・30字以内の記述)は、祭りの「開放感」について楓子が好きな点を本文から読み取って書く問題。本文中のキーワードを正確に拾えたかどうかが勝負です。
問3(選択式・4点)は、涙を流す楓子の心情を説明する問題。楓子の感情の変化を、文章全体の流れから把握している必要がありました。
問4(35〜45字の記述・7点)は、楓子の声が震えた理由を記述する問題。配点が大きく、ここが得点の分かれ目になったはずです。
問5(選択式・5点)は、本文の構成と表現について適切でないものを選ぶ問題。場面の展開と登場人物の心情変化を、構造的に理解しているかが問われました。
この大問で必要だった力
小説文は「何が起きたか」だけでなく、「登場人物の気持ちがどう変わったか」を追いかける力が必要です。
楓子の心情は、文章の前半と後半で大きく変化しています。その変化を、本文中の具体的な表現(行動・セリフ・描写)から読み取れたかどうかが、記述問題の出来を左右しました。
大問2(話し合い+資料読解):「実用的な文章を読む力」が問われた
最初の漢字については省略します。
今年の大問2は、中学生の授業で洗濯機の取扱説明書を比較・検討するという設定でした。文法事項尾は文節相互の関係(補助の関係)を答える問題でした。ぱっと見でもわかる易しい問題ともいえます。
資料1は一般消費者向けの取扱説明書(症状・原因・対処法の表)、資料2は販売店舗向けの技術資料。この2つを比較しながら、話し合いの内容を読み解く問題です。
この大問のポイント
一見すると「国語っぽくない」問題ですが、実はここで問われているのは「複数の資料を比較して、情報を正確に読み取る力」です。
取扱説明書という実用的な文章を使っていますが、求められている読解力は論説文と同じ。「どこに何が書いてあるか」を把握し、「2つの資料の違いは何か」を整理する。これは、まさに読解ルールで鍛える力そのものです。
昨年も同様の形式で出題されており、今後も定番として続くでしょう。漢字の読み書き(問1・24点分)と合わせて、基礎力+情報処理力が問われるブロックです。
大問3(論説文):AI時代の「能力至上主義」を読み解けたか
出典は吉岡洋「AIを美学する なぜ人工知能は『不気味』なのか」。AIと人間の関係、特に「能力」をめぐる人間の価値観について論じた文章です。
なお、この文章は神奈川県の公立高校入試でも同じ出典が使用されています。良質な論説文として、複数の県が注目した文章だったと言えます。
論旨の構造
筆者の主張を簡潔にまとめると、次のようになります。
人間はAIの登場により、自分たちが大切にしてきた「能力」の意味を問い直す必要に迫られている。近代以降、人間は能力で自らの価値を測ってきた(=能力至上主義)。しかしAIが人間の能力を超えつつある今、その価値観自体を再考すべきではないか――という論旨です。
注目すべき設問
問1(選択・4点)は、筆者がAIについて述べた内容の理解を問う基本問題。
問2(15字以上の記述・6点)は、「能力の自己目的化」について筆者の考えをまとめる問題。本文中のキーワード「能力至上主義」の意味を正確に把握していないと書けません。
問3(選択・4点)は、文中の「現実的な問題」が何を指すかを問う問題。指示語の内容を正確に特定する力が必要でした。
問5(45〜55字の記述・7点)は、筆者が考える「能力至上主義」について説明し、「自己理解」「反省」という2つの言葉を使って記述する問題。論旨全体を把握し、自分の言葉でまとめる力――つまり要約力が直接問われる設問です。
LOGIQUEの指導とのつながり
大問3の論説文は、LOGIQUEで教えている読解ルールがそのまま活きる問題でした。
接続語に注目する。「しかし」「つまり」の後に筆者の主張がある。この文章でも、接続語を追うだけで論旨の骨格が見えてきます。
キーワードを特定する。「能力至上主義」「自己目的化」「人間にしかできない仕事」など、繰り返し登場する言葉が筆者の主張の核です。
100字要約の力。問5のように「筆者の主張を自分の言葉でまとめなさい」という記述問題は、まさに要約力が問われます。普段から100字要約を繰り返している生徒にとっては、得意な問題形式です。
大問4(古文):定番の読解。口語訳の丁寧さが求められた
出典は「宇治拾遺物語」から、荘子と鮒(ふな)の話。中国の思想家・荘子が登場する有名な説話です。
古文としての難易度は標準的。読みやすく、設問も本文の内容理解と主語の特定が中心でした。
問4の選択問題は、先生とAさんの会話の中に適切な内容を答える問題。本文全体の教訓を理解しているかが問われました。
大問5(作文):「緑との関わり」についての意見文
埼玉県のアンケート「緑との関わりについて」の資料(円グラフ+棒グラフ)を読み取り、自分の考えを二段落構成で書く問題。配点は12点。
第一段落で資料の内容に関連させ、第二段落で自分の体験や考えを書くという条件は例年通りです。
テーマ自体は書きやすく、資料も読みやすかったため、条件を守って書ければ大きな失点は避けられたはずです。
今回の入試から見える「国語で得点するために必要な力」
今年度の入試を通じて、改めて確認できたことがあります。
埼玉県の国語は、毎年同じ力を問い続けています。
①文章の構造を把握する力。キーワード・接続語・指示語を手がかりに、筆者の主張や登場人物の心情変化を読み取る。
②複数の情報を比較・整理する力。大問2の資料読解は年々重要度が増しています。「読む」対象は文学作品だけではありません。
③自分の言葉でまとめる力。記述問題は毎年出ます。字数指定の中で、要点を過不足なくまとめる力。これは一朝一夕では身につきません。
この3つの力を、LOGIQUEでは「読解ルール」と「100字要約」で日々鍛えています。
来年の受検生へ
中学2年生のみなさん。来年の今日、試験会場にいるのはあなたです。
国語は「何を勉強すればいいかわからない」と言われがちな教科です。でも、今日の入試問題を見ればわかるように、問われている力は明確です。
文章を正確に読む力。情報を整理する力。自分の言葉でまとめる力。
これらはすべて、正しい方法で練習すれば伸びる力です。
「国語はセンス」ではありません。読み方のルールを知り、練習を重ねれば、誰でも国語は得点源にできます。
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